愛馬進軍歌







くにを出てから幾月ぞ ともに死ぬ気でこの馬と

攻めて進んだ山や河 とった手綱に血が通う


昨日陥したトーチカで 今日は仮寝のたかいびき

 馬よぐっすり眠れたか 明日の戦は手強いぞ








弾丸の雨降る濁流を お前たよりに乗り切って

 つとめ果したあの時は 泣いて秣を食わしたぞ



慰問袋のお守札を 掛けて戦うこの栗毛

 ちりにまみれた髭面に なんでなつくか顔よせて



伊達にはとらぬこの剣 まっさき駈けて突っこめば

 何ともろいぞ敵の陣 馬よいななけ勝鬨だ



お前の背に日の丸を 立てて入場この凱歌

 兵に劣らぬ天晴れの 勲は永く忘れぬぞ