1950年代後半、ローマ、イスキア島。
貧しいアメリカ青年トムが友人である金持ちの息子フィリップに成り代わろうとたくらむ。
完全犯罪は成立するか。
トムはフィリップの父親から、放蕩息子を連れ戻して欲しいと頼まれイタリアへくる。
自分が持っていないものを持っているフィリップを妬ましく思うトム。
ふとしたことから、彼を殺し、成り代わることを思い付く。
サインを練習し、パスポートを偽造し、偽の手紙をタイプして送る。
嘘に嘘を重ねて、やがて、フィリップの恋人だったマルジュさえも手に入れて……。
犯罪を完全なものにするべく努力するトムの姿は哀れでもある。
そうまでしなければ、彼はフィリップが生まれながらにして持っていたものを手に入れることができない。
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