物語はローマから始まる。
女はニューヨークへ向かう途中、そして男は何か手紙を受け取り思い立ったように飛行機のチケットを取る。
女の名前はマニーナ。ピアニストでニューヨークでのコンサートを控えていた。
男はデイビッド。タービン技術者で妻子を省みず仕事に没頭し成功を収めたが、
その生活に疲れ自分探しにイタリアへと旅をしている。
こんな2人が飛行機で隣の席に乗り合わせたのはまったくの偶然であった。
世の中の恋人達にとってはこの「偶然」は「運命」と呼ばれるらしい。
これは、そんな偶然から始まる恋のお話です。
2人の乗る飛行機は故障で途中のナポリに着陸する。
修理が終わるまで20分。「イタリアの20分は2時間だ」と2人は連れ立ってナポリ見物へ出かけるのである。
「ナポリを見てから死ね」といわれるとおり石畳の気持ちの良い街ナポリを車で巡った。
ベスビオ山の見える高台の上にあるレストランのテラス、ラビオリを食べながらキャンティの二本目を頼む。
キャンティはトスカーナ州のお酒。底をわらで包まれたボトルが印象的なワインである。
そしてレコードからの音楽は、この映画で不朽の名作となった"September Song"。
 
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