あらすじ第二時世界大戦下のオーストリア、女性家庭教師マリアが父子家庭トラップ家に送り込まれてくる。

 子供達とマリアの触れあいと、トラップ大佐とマリアの恋を、ミュージカル仕立てにした映画。「ドレミの歌」「エーデルワイス」等の歌が有名

ザルツブルク郊外の山/市内のミラベル宮殿

 評論オーストリアの古都ザルツブルクとその郊外の美しい自然を舞台に、しぶい紳士と魅力的な若い女性、楽しい音楽と無邪気な子供達、と感動には事欠かない。ハリウッド誇るアメリカ趣味の娯楽映画である。しかし、あくまで娯楽映画。。。この映画は実話を元にしているのだが、事実は大分異なるらしい。主人公のマリアは映画よりも敬虔な女性であったらしく(一番厳しい修道院にいた)、またトラップ大佐の住居も、マリアと大佐の挙式を上げた教会も、映画と事実は異なる。

 映画でマリアが登場する場面は緑なす緩やかな丘の湖のほとり。。しかしこの湖は底に錫を張った人工湖。次々に出てくるザルツブルク市の場面も地理的に滅茶苦茶、それにこの街は「ドレミの歌」は似合わない雰囲気だと思う。これらは譲ってもいい。。。しかし、最後の場面にナチスの手を逃れる為に山中を一家が歩く場面があるが、あれはザルツブルク郊外の景勝地でヒトラーの別荘「鷲の巣」と目と鼻の先。。。地理的にはドイツに逃亡している事になる。 

もしも事実に忠実に映画を作ったならば、大当たりしただろうか??美しい映画だと思うが、しかし虚構なのだ。大勢の賞賛を得ようと思えば、深みある事実よりも、単純化した浅い作話の方が良いのだ。だから、これは娯楽映画! ひそかに、私は、深みのない虚構で安易に感動させらる事を危惧する。感性が鈍ってはいけない。(そんな事を言ってはいるが、評者はオバカなテレビ番組が大好きなのだ)

ザルツブルクでは、現在も毎晩、人形劇が上演されている。
ザルツカンマーグート地方の自然
高台のザルツブルク城から

              

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