金蘭会創立110周年記念
神戸〜屋久島〜奄美大島〜神戸


2001 5/16〜5/20


 私たち、大手前高校6期生は1985年に、21世紀の初日の出を洋上で拝もう、
という案が出され、これを
「オレンジツアー」と命名された。
そのときはまだまだ先のことで、夢のような話だった。
いよいよ21世紀も近くなってきて、元旦に家をあけるられる人は少ないことがわかり、
南の海で日の出を拝む、と変更された。



 2001年は金蘭会(大手前高校の同窓会)の創立110周年にあたるので、
実行委員の人たちはこのクルーズを学年を超えて募集しようということに決められた。

日程は5月16日〜20日と決まって、「大手前だより」で募集したところ希望者が多数集まり、
キャンセル待ちまで出る盛況ぶり。北は北海道から南はシンガポール在住の方まで、
86歳から36歳まで、同伴者も含めて302名が参加。

豪華客船,ふじ丸で、行き先は屋久島、奄美大島となり、2001年5月16日、
私たちの同窓会(金蘭会)の
オレンジツアーは無事出港にこぎつけたのである。





  5月16日(晴れ)
 
 
心配されていた台風1号は低気圧に変わり、神戸は晴れ。
タミさんとわたしのキャビンは413号室。スーツケースはお部屋の前に届いていた。
 12:30出港式。4Fのプロムナードデッキに集まり、紙テープを持つ。
赤い上着に金モールで正装した神戸市消防局音楽隊の演奏に送られて、
色とりどりのテープが舞い乱れる中、ふじ丸は港を離れた。

 

 
デッキには懐かしい顔、顔。我々、昭和29年卒の同期生は86名の参加があったが、
このツアーの実現に力を注いでくれたふたりが既にこの世にいないのは寂しい。



13:30昼食。東京から参加された同期のSさんと同じテーブルになった。
16:00から和室「平成の間」でお茶席が開かれた。テーマはイモーレで
ウエルカム、ようこそ、という意味。

 ふじ丸は紀伊水道から太平洋に出たあたりから熱帯性低気圧になった台風1号の
余波で揺れ始め、船酔い状態になる。

17:00から船長主催のウエルカムパーティ。ドレスアップした人たちが集まる。
親しい同級生同志の席で、お喋りに熱中。
ハンサムなマジシャンが私たちのテーブルでトランプマジック。
テーブルの間を回ってギター演奏をする
「グラン ミカエラ イ ダゴ」のマスター。

楽しいディナーのあと
 20:00 2Fパシフィックホールでソプラノ歌手 足立輝代さんのメインショーが始まる。
天使の声の持ち主、といわれるだけあって、その声にうっとり。
「のばら」
「やしの実」「オーソレミオ」など懐かしい音楽を聴く。




21:15 このパシフィックホールでレクチャーがある。テーマは「屋久島総覧」
講師は屋久島記念館 館長。

 
22:00 6Fデッキで星座教室。
大急ぎでフォーマルドレスをジャンパーとジーパンに着替えデッキに走る。
闇があたりを包み、空は満天の星。
アンタレス、カシオペア座、しし座、おとめ座と説明があった。


                    
 5月17日(晴れ)

8:30   6Fデッキで集合写真撮影
11:00
 ふじ丸は屋久島 宮之浦港に入港。

 早い昼食を済ませ、実力に合わせ3コースにわかれてオプショナルツアーに。
わたしとトキちゃんは1kmしか歩かない「屋久杉を知る」のコース。
タミさんもミサちゃんもトレッキングのあるオプショナルを選んで、先に出発した。
ひと月に35日雨が降るといわれる屋久島だけど、今日は快晴。
屋久杉自然館の館長のお話によれば

「屋久島は海から親指を突き出したような地形で、
宮之浦岳は標高1935mあり、
ガジュマルが気根をからませる亜熱帯の平地から屋久杉が育つ温帯の森、
そして北国の花が咲く山上へと南北に長い日本列島が垂直につめこまれています」

鹿、猿、人がそれぞれ20,000づつ住んでいる、と言われているが、
現在人口は14,000に減っているとのこと。
紀元杉の近くで可愛い小鹿に出会う。




バスは海岸線を走る。島の周囲は132kmで、太平洋と東シナ海に面している。
山々が折り重なり、常緑樹の深い緑に赤い百日紅の花、
道端には大きな羊歯が生えていた。
夕食後19:30「奄美の歴史と文化」の講演そのあと
21:30より同じ会場で我々の同期会があり、日銀総裁の福井俊彦氏の
「日本の経済について」レクチャーを受けた。



 5月18日(雨)

 7:00頃に、船は奄美大島の古仁屋港沖に着いた。
  今日は雨。朝食後めいめいがお弁当を貰い、各コースによって出発時間が異なる。
タミさんは「マングローブ観察と水中散歩」を選び、
カヌーを漕ぐ過酷なコースで、朝早くに出発した。
 トキちゃんと私は
「グラスボートと加計呂麻島」で、午後からのコース。
 暇なので、船内見学。船をぐるーっと一周できる4Fプロムナードデッキを散歩。


 
ふじ丸はいわば8階建ての動くホテルである。
メイン・エントランスとダイニングルーム,2−3F 吹き抜けのホール,
3Fにはラウンジ、カジノ、談話室、和室などあり、
4−5Fは客室、6Fはスイートルーム、デラックスルームにスポーツデッキ、
8Fにはプール、スカイラウンジなどがあった。
波は穏やかで、柔らかい.向こうに海上保安庁の船が見えた。




12:00 雨の中グラスボート「りゅうぐう」に乗船。
暫く、船が進むと、マリンブルーの美しい海に色とりどりの珊瑚礁、
テーブル珊瑚、脳さんご、緑石さんごやいそぎんちゃく、その間を泳ぎまわる小さな熱帯魚たち。


13:20 呑の浦に上陸。ディエゴ並木、寅さんの撮影に使われたリリーの家、
島尾敏雄の文学碑などを見て、16:10 生間から通船に乗ってふじ丸に帰った。
夕食後は桂歌之助師匠(S・40卒)の落語を聴いて楽しんだ。

 5月19日(晴れ)

 9:00 2Fパシフィックホールでふじ丸のキャプテン中山重氏のトークがあった。
司会はアナウンサーの武部宏さん。

10:00 みんなで歌いましょうが3Fラウンジであった。

船は一日中東シナ海を航行。昼食後「熱帯の恵み、シンガポール在住29年」と題して、
チャン(岡島)斎子さんが講演。落語、イリュウジョンマジックなど忙しい。


夕食までに5Fにある大浴場に出掛ける。
展望風呂というだけあってゆったりと海を見ながらお湯につかる。

18:00 船長主催のフェアウエルディナーパーティ。

 
ワインを頂きながら、オマール海老のマリネ、キャビア添えやオニオングラタンソース、
ちりめんキャベツで包んだ海老と帆立貝のムース、
仔牛フィレのグリエ赤ワインソースに舌鼓をうった。

20:00 ドイカルテットと
瀬戸内美八コンサートが2Fパシフィックホールで。
彼女の出身である宝塚の歌「すみれの花」は皆で大合唱。最高に盛り上がった。
21:00関門海峡を通過する。



 5月20日(晴れ)

朝5時前にオレンジ色の日の出を見る

10:40 グランドフィナーレ。瀬戸内美八ショー、マジック、落語と幹事さんの挨拶
この時、私たちの恩師 岸田先生が披露して下さった短歌


金蘭の契り結びて百十年
             今日船旅に青春競う


最後に校歌斉唱
12:00に明石大橋の下をくぐる。
13:00、スポーツデッキでランチ。ビュッフェスタイル。皆との別れを惜しみながら
「また、こんな旅行がしたいね」と話し合う。
14:00神戸港に着いた。