1988年に制作され日本公開された「グレート・ブルー」に50分近いフィルムを加えて再公開されたのが、この「グラン・ブルー」。

 88年に公開されたときは不入りで、あっという間に消えていった映画だったそうだが、熱狂的なファンを獲得していて静かに語られていたという。

その後、フランスでロング・ヴァージョンが公開されたことでマスコミや映画会社の大々的なキャンペーンが展開され、再公開されることになった。

 映画は実在する素潜りの世界チャンピオン、ジャック・マイヨールとエンゾの幼い頃のエピソードからスタート。

ジャックが父を海で失う重い場面から、成長したエンゾの登場する明るい場面は対照的で興味深い。

 二人の潜水に賭ける姿勢も正反対で、情熱的で社交的なエンゾと求道者としてのジャックのコントラストを中心に展開されていく。

映画の成功は海の美しさと共に、エンゾ役ジャン・レノの存在感に負うところが大きい。

サウンドトラックがすばらしいがナポリ沖撮影のアラン・ドロン
主演の「太陽がいっぱい」の主題歌をBGMにした。