南の花嫁さん

高峰三枝子


1 合歓の並木を お馬の背に  ゆらゆらゆらと
  花なら赤い カンナの花か
  散りそで散らぬ 花びら風情
  隣の村へ お嫁入り
  「お土産はなあに」  「籠のオウム」
  言葉もたったひとつ  いついつまでも


2 椰子の葉陰に 真赤な夕陽が  くるくるくると
  まわるよ赤い ひまわりの花
  たのしい歌に ほほえむ風情
  心はおどる お嫁入り
  「お土産はなあに」  「籠のオウム」
  言葉もたったひとつ  いついつまでも


3 小川の辺 お馬を止めて  さらさらさらと
  流れにうつす 花嫁すがた
  こぼれる花か 花かんざしに
  にっこり笑う お月さま
  
「お土産はなあに」「籠のオウム」  
言葉もたったひとつ  いついつまでも


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