満州娘

服部富子

私十六 満州娘
 春よ三月 雪解けに
  インチュウホウが 咲いたなら
   お嫁に行きます 隣村
    ワンさん待ってて 頂戴ネ

ドラや太鼓に 送られながら
 花のマーチョに ゆられてる
  はずかしいやら 嬉しやら
   お嫁に行く日の 夢ばかり
    ワンさん待ってて 頂戴ネ

雪よ氷よ つめたい風は
 北のロシアで 吹けばよい
  晴着も母と 縫うて待つ
   満州の春よ 飛んで来い
    ワンさん待ってて 頂戴ネ


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