塩まさる
1、戦い止んで 長城遥はるか 月は輝く 穂草ほぐさはなびく
露営のランプも いつしか消えて 軍馬の寝息 ものかすか
2、戦友ともも寝たか 草木も寝たか 歩哨ほしょうばかりの 静寂せいじゃく天地
思えば胸も いつしか迫せまり 大喝だいかつ一声 吟ぎんずるは
『詩吟』
霜しもは軍営ぐんえいに満みちて秋気清しゅうききよし
数行すうぎょうの過雁月三更かがんつきさんこう
越山併えつざんあわせ得えたり能州のうしゅうの景けい
遮莫 家郷遠征さてもあらばあれ かきょうえんせいを思う
3、ああこの天地てんち この山上さんじょうに 明日はかばねを さらそとままよ
魂魄こんぱくながく 武勲ぶくんをとどめ 神州男児しんしゅうだんじの 名を挙あげむ