インド政府観光局

カースト制度と宗教

世界三大宗教はキリスト教、イスラム教、仏教です。人口で見ればキリスト教15億人、イスラム教10億人、仏教4億人ですが
中国で信仰されている道教10億人、およびインドで信仰されて いるヒンズー教7億人がことごとく無視されていることに気付きます。
しかし、イン ド一国の面積は西ヨーロッパ社会に匹敵し、そこにヨーロッパ社会に倍する9億人近い人が住 んでいます。
その人種は4系統数百を数えています。インド一国が一大社会を構成していると いえるでしょう。
 1991年5月21日、インド南部のタミルナード州スリペルブドルで国民会議 派の総裁ラジブ・ガンジーが暗殺された。
イ ンド独立と人民統合の象徴であったネールの後継者であるガンジーの死は、インド国内の混乱を予感させました。
 92年12月6日、インド北部のウッタル・プラデシュ州アヨディヤの古いモスクを数十万人のヒンズー教徒が襲撃、破壊しました。
それをきっかけにインド各地でヒンズー教徒とイスラム教徒が激突、数千人の死者を出す事態になりました。
インドとパキスタンの核武装のきっかけとなっ たカシミール地方の領有権争いも見方を変えるとヒンズー教とイスラム教徒の争いです。
 またヒンズー教がイスラム教の影響を受けて変質したシーク教徒が多数派を占めるパンジャ ブ州では宗教問題と絡めた分離独立運動が続いています。
ラジブ・ガンジーの母親、すなわち ネールの娘であるインディラ・ガンジー元首相はシーク教徒によって暗殺されています。
*シーク教徒はアウト・オブ・カーストです
 インドは元々ヒンズー教の国でしたが、16世紀にイスラム勢力がムガル帝国を立て(有名なタージ・マハルはイスラム教の様式です)英国の植民地になってからは英国の政策で両宗教を対立させてそれに乗じて支配していました。
第二次大戦後インドが独立するときも、インドとパキスタンに分けて独立したのも宗教の問題によるものでした。
ヒンズー教で食べることが禁止さ れている鶏肉を扱う、ということでケンタッキーフライドチキンがヒンズー教徒に襲撃されたこと もありました。
 ヒンズー教のカースト制度を利用して民を支配しようとしたインド諸王朝や英国の統治政策 が、現在のインドの混乱を招いたといえるでしょう。そして、ネール一族がかすかに統合の象徴 となっていた事実も改めて確認されることです。
インド人の宗教分布
ヒンズー教82% イスラム教12% キリスト教2.5% ジャイナ教0.5% シーク2% 仏教0.7%

ターバンをまくシーク教徒